見落としがちな小さな血管も治療し再発を予防
細静脈に特化した治療

小さな血管まで治療せずに生じる下肢静脈瘤
細静脈下肢静脈瘤

細静脈下肢静脈瘤は、足の大きな血管だけを検査・治療し、小さな血管の逆流を放置することで発生する下肢静脈瘤を指します。

下肢静脈瘤は、足の静脈の弁がうまく機能せず、血液循環がスムーズに行われずに生じる血管疾患です。
下肢静脈瘤は一種の血管疾患であるため、足の静脈であればどこにでも起こります。

細静脈下肢静脈瘤は、大伏在静脈や小伏在静脈といった名前のある大きな血管とは異なり、名前もついていないほど小さな枝分かれした細静脈の弁の異常によって逆流が生じるものを指します。大きな血管とは異なり、細静脈は小さく無数にあるため、検査で見落とされることがよくあります。

CAUSE OF DISEASE

発病の原因

大きな血管だけを対象に細静脈下肢静脈瘤の原因を探す検査方式

足には無数の静脈があり、大きく深部静脈、伏在静脈、細静脈などに区分できます。
伏在静脈は、大伏在静脈と小伏在静脈に分けられます。大伏在静脈は鼠径部に始まり内くるぶしへと続く静脈で、小伏在静脈は膝窩(膝の裏側)から外くるぶしへと続く静脈を指します。
伏在静脈は足の静脈の中でも主要の静脈で、大きな静脈の一つです。そのため、多くの病院では伏在静脈のみを検査し治療します。

しかし、細静脈でも弁が機能せず逆流を引き起こすことがあります。細静脈は容量血管とも呼ばれ、伏在静脈よりも細く逆流は少なめですが、血液循環がスムーズではないため、一般的な下肢静脈瘤と同じ症状が現れます。さらに、時間が経つにつれて他の血管への負担が大きくなり、他の血管にダメージを与えやすくなるリスクがあります。

  • 大伏在静脈と小伏在静脈のみを対象とした下肢静脈瘤の検査と治療

  • 細静脈での逆流が持続

  • 細静脈下肢静脈瘤が発生

SYMPTOM

症状

下肢静脈瘤の治療後、症状は当初は改善する場合もありますが、その後下肢静脈瘤の症状が再び現れます。
細静脈下肢静脈瘤は、足以外の部位にも症状がよく現れます。
主に腰の下や膝に現れ、女性の場合は骨盤にも症状が現れることがあります。
症状の例としては、膝に力が入らなかったり、仙骨の外側のしびれや痛みなどが挙げられます。

FEATURE

細静脈下肢静脈瘤の特徴

下肢静脈瘤の症状が現れても、必ずしも下肢静脈瘤の再発とは限りません

無数の枝分かれした細い血管である細静脈の中から患部の血管を特定しなければならないため、細静脈下肢静脈瘤の発見は簡単ではありません。
そのため、細静脈下肢静脈瘤を見落としたまま伏在静脈瘤の下肢静脈瘤だけを治療するケースがよくあります。
逆流量の多い太い血管を治療するため、症状の改善はすぐに見られますが、その後も細静脈下肢静脈瘤の症状は持続します。
そのため、患者様の多くは治療が完全ではないため下肢静脈瘤が再発したと思い、治療した血管にだけ関心を向けます。
この時、下肢静脈瘤検査を行っても大伏在静脈と小伏在静脈に逆流が認められない場合は、細静脈下肢静脈瘤の疑いがあります。

CHECK

細静脈下肢静脈瘤の自己診断

  • 骨盤が痛み、仙骨の外側がしびれる
  • 膝がしびれて歩くのがつらい
  • 足ではなく腰と骨盤に痛みがあり不快感がある
  • 下肢静脈瘤の治療を受けた後、すぐに症状が再発した
  • 下肢静脈瘤の症状があり検査すると逆流は認められないと診断される
CAUTION

細静脈下肢静脈瘤に関する注意点

患部の血管を見逃さないよう、目に見えない静脈も一つ一つ丁寧に検査します。

伏在静脈を治療した後でも、細静脈の逆流が残っていると、下肢静脈瘤の症状が再発することがあります。
最初は大きな血管の逆流を防ぐことで症状が改善する場合もありますが、細静脈の逆流が次第に悪化すると、下肢静脈瘤の症状が再発します。
細静脈下肢静脈瘤は早期に発見されないと、他の血管の弁に負担がかかり、複数の部位に下肢静脈瘤が発生する可能性があります。
そのため、下肢静脈瘤の検査では、大伏在静脈、小伏在静脈および細静脈までしっかりと検査を行う必要があります。

延世ソン血管外科クリニックでは、患者様の症状に合わせて大伏在静脈や小伏在静脈をはじめ、細静脈まで丁寧に検査を行っています。
具体的には、大伏在静脈と小伏在静脈を検査した後、そこから分岐する細静脈を検査します。
患者様の症状に応じて細静脈を確認し、ふくらはぎの外側が痺れる場合は、ふくらはぎの外側にあるすべての細静脈を検査して患部の血管をしっかり特定します。

EFFECT

細静脈下肢静脈瘤の治療効果

延世ソン血管外科クリニックでは、下肢静脈瘤施術を行う際には、太い静脈から細静脈までしっかりと検査して治療を行います。
治療の最初である検査の時点から血管を一つ一つ丁寧に検査して、患者様が下肢静脈瘤の症状から解放されるための基盤をまず築きます。
またスムーズな血流を確保するために、患部の血管をしっかりと閉塞し治療の完成度を高めます。
検査から治療まで治療の完成度を高め、患者様が下肢静脈瘤の痛みから完全に解放されるようサポートします。

TREATMENT

下肢静脈瘤の段階別治療方法

分類 初期 中期 後期
特徴 薄紫色のクモの巣状静脈、1mm未満の目立つ細静脈、皮膚色の変化 血管が浮きではじめる 1mm以上血管が膨らんで浮き出る、屈曲し曲がりくねる、色素沈着、血栓が形成
症状 だるい、疲れやすい、むくむ 午後になると悪化する足のしびれ、むくみ、睡眠中のこむら返り、冷え、足裏のほてり かゆみや足のむずむず感、多様で複雑な症状、既存症状の悪化、皮膚潰瘍
治療方法 薬物療法、ストッキングを用いた硬化注射療法 水平血管内塞栓術(ベナシールを使用したグルー治療)、ウォータートンネルレーザー、マイルド高周波、クラリベイン 水平血管内塞栓術(ベナシールを使用したグルー治療)、ウォータートンネルレーザー、マイルド高周波、クラリベイン

* 症状は、病気の進行度に応じて初期段階から後期段階までの症状が混合して多様に現れます。

薬物療法/注射療法
薬物療法
下肢静脈瘤が初期の場合に実施される治療法です。下肢静脈瘤の進行を防いだり、症状を緩和するために使用されます。
硬化療法
注射器を使って血管に硬化剤を注入し、患部の血管を閉塞させる治療法です。治療は簡単で、症状が軽い患者様に適しています。
施術/手術
水平血管内塞栓術
(ベナシールを使用したグルー治療)
ベナシール(VenaSeal)を使用したグルー治療は、血管に医療用接着剤を注入することで下肢静脈瘤の症状を改善する治療法です。
起始部が逆流している場合、大伏在静脈と深部静脈が合流する場所での2つの血管の角度が0度に近いほど、水平にしっかりと閉塞し、再発を防ぎます。
ウォータートンネルレーザー
レーザーで発生する高エネルギーの熱(500~1000℃)を利用して血管を閉塞します。拡散レーザーで安全性を確保し、かつウォータートンネルで血管が覆われるため、周囲組織への熱損傷を最小限に抑えます。新しい1940nmレーザーは、従来のレーザーよりも少ない熱エネルギーで高い閉塞率を実現し、より安全な治療を可能にします。
クラリベイン
この治療法は、回転ブレード付きカテーテルで血管の内壁を物理的に刺激し、その後硬化剤を注入します。熱損傷や副作用はありません。
マイルド高周波
高周波カテーテルの先端から発生する100~120℃の熱エネルギーを利用して逆流する静脈を閉塞します。レーザー治療と同様に、ウォータートンネルレーザー技術を適用し、安全性を最大限に高めています。
ストリッピング手術
局所麻酔または全身麻酔下で皮膚を切開して逆流する血管を引き抜く従来の外科手術です。レーザーが併用される場合もあります。
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